こんにちは!
カナダで薬剤師を目指しているRYOです。(^ ^)
最近暑くなってきましたね。ちょっと家での勉強も少しだるくなってきましたが、そんなことも言っていられない状況です。
日本の薬剤師免許をカナダのものにトランスファーするためには、英語の試験や薬学の試験などの数々の試験をクリアしなくてはなりませんが、そのうちの一つとしてEvaluating Examというのがあります。
その問題集がAmazonのKindle Unlimited(月額980円)のプランで使用可能なので、2週間かけて解いてみました。
その感想と日本の薬学との差を紹介していきたいと思います!
Evaluating Examとは
まずいきなり、Evaluating Examといってもほとんどの人が聞いたことないと思うので、簡単にその試験の概要を紹介します。
この試験はPEBC(The Pharmacist Evaluating Board of Canada)というカナダの非営利団体が運営している試験の一つで、カナダ人以外の薬剤師がカナダでの薬剤師(テクニシャンもある)になるためのまさに入門試験と言えるような試験のコンセプトになっています。
まさにEvaluating(評価する)Exam(試験)ということですね。
試験の目的は大きく2つに分かれていて、
- assessing the qualifications of pharmacists and pharmacy technicians on behalf of provincial pharmacy regulatory authorities
- ensuring that entry-level pharmacists and pharmacy technicians have the necessary professional knowledge, skills and abilities to practise pharmacy within their scope of practice, in a safe and effective manner.
引用元:General Information - PEBC
難しく書かれていますが、
要するに「カナダ薬剤師になる土俵に立てるのか試験」
という認識ですね。
日本でいうところの、CBTに近いような試験かなという感じです。
いざ問題集を解いてみた結果・・・
先日3週間くらいかけて、このEvaluating Exam(EE)の試験問題集を解いてみました。
正直言って、難しかったです。
難しかったポイントは以下の2点ですね。
ふつうに忘れた・・・
日本の国家試験を受験したのも去年でまだ1年しか経ってないし、EE自体まだ国家試験の準備試験みたいな側面があるから内容的には問題ないだろう。
問題になるとしたら、医療英語くらいだろうなって思っていたのですが、
甘かったです、、、!!
・国家試験から1年でだいぶ知識は抜ける
・生物学や細かい作用機序などの現場での使用頻度の低いものは抜け落ちている
・医療英単語知らなすぎる問題
薬局での仕事では、細かい薬学の知識よりも
対人コミュニケーション能力
保険医療の知識
自己管理能力
の方が、専門知識よりも重要視されている感があるので、磨いていない専門知識は廃れてしまってました。
特に自分は他の同期が業務時間外で仕事の研鑽を行なっている間、ひたすらIELTSの勉強に費やしていました。そのため、トータルの勉強時間はそこそこでも薬学知識は国家試験受験時のまま、またはそれ以下になってしまいました。
ただこのような事態はあらかた予想はできていたので、そこまで影響はないと思っています。
医療英語やばすぎ
しかし医学単語、これは曲者ですね。(⌒-⌒; )
医学単語が膨大で、難しいことはわかっていましたが、その量と難しさに震えた3週間でした。
IELTSの勉強で頭は英単語パンパン状態で、しばらくは暗記はお腹いっぱいと思っていましたが、また単語学習の日々が待ち受けていそうです(^_^;)
カナダっぽいなって感じた問題
解いていた中には、日本の国家試験ではみないような系統の問題もありました!
ワクチンの適応に関する問題
日本でもワクチン関連の問題は毎年出題されているような印象ですが、カナダの問題は出題の視点が少し異なっているような感覚でした。
日本では、ワクチンは医師または医師の元で看護師が打ちます。そのため、薬剤師の試験ではワクチンの性質や適応年齢などの基本的な問題はあったと思います。
ただカナダでは薬剤師もワクチン接種の担い手の1人なので、打ち手の視点の問題もあり興味深かったです。
例えば、ワクチンの種類による保管方法の問題や患者にワクチン接種を奨励する問題など、実際の働き方を想像できる問題でしたね。
医療大麻の問題
日本ではまず危険性や依存性ばかりに問題の焦点があり、有効性や必要性はほとんど教育されませんが、カナダの薬学では医療大麻やretailedの大麻に関する問題がたくさんありました。
特に、大麻から作られている医薬品やその適応症、適応年齢など広く知識を問う問題が出題されているようです。もちろんその中に依存性や危険性の問題もたくさんありましたが。
大麻とは言っても、種子を扱ったり、抽出物を使用したり多くの種類があり、これらに対する法律的な解釈や取り扱いもカナダならではの問題だと勉強しましたね^_^
(例:以下の医薬品のうち、果肉から製造されたものはどれか、など)
これらは勉強して、知識が深まったらまたそれだけで記事にしてみようと思います。
リフィルに関する問題
日本では2022年の調剤報酬改定で、リフィル処方箋に関する記述が加わりましたね。
ネットを見ていると賛否両論あって、リフィル処方が使われるのはまだまだ先なような雰囲気です。
しかしカナダではリフィルは当然のように行われていて、薬剤師はリフィルの判断をする重要な立場の職です。
リフィルしていいかの問題も当然ありましたし、リフィルに関連する現場のトラブルなども出題されています。
(例:テクニシャンが残りのリフィル回数がないのに、薬剤を交付してしまった。次回受診の時に薬剤師がすべき事項はどれか)
エマージェンシーリフィル(リフィルが残されていないが、患者の状態を薬剤師が判断し、次回受診までのつなぎとして出す処方)
などは、まだ日本には輸入されていない考え方かもしれませんね。
リフィルに関しては、まだまだ日本は各国から遅れているので、他の国ではどうしているのかしっかり勉強していきたいですね!
おわりに
さて、これまで
Evaluating Examの問題のレビューを行ってきましたが、まだまだ合格には程遠いできでしたので、
基礎の再確認
医療単語の勉強
をもっともっとがんばらなきゃと感じました。
これからも応援よろしくお願いします🥺